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苦しんでいる営業を引き上げるために営業マネジャーに必要なこと

こんにちは、homie株式会社の不動産営業DXおじさんこときのしたです。

先日、組織の力を最大限引き出すために、「組織長はメンバーの力量を最大限引き出すことが求められる。」ということについて書きました。

ただ、いまでこそ偉そうにマネジメントや営業を語ることができていますが、その昔はダメ営業でした。そしてそこから、トップ営業と呼ばれるところまで這い上がることができたという経歴を持っています。

だからこそ、いま苦しんでいる営業には、面白さを見出して欲しいし、営業マネジャーには、そういう営業を救ってあげて欲しいと心から願っています。

また、採用難易度が高くなっている今、優秀な一流の営業ばかりが採用できる組織なんてそうそうありません。言葉は悪いですが、Cランクの営業をBランクにどう引き上げるか、Bランクの営業にもっと高みを見せてあげられるか。この動きが求められるのです。

では、どうやってメンバーを引き上げていけば良いのか?

今回は、自分自身がダメ営業からトップ営業へと転身した経緯から、
ポイントを整理してみたいと想います。

問題児だって、必死でやっている

昔話から始めます。
私は、リクルートに入社した当初から問題児として名を馳せていました。

売れたい・目立ちたいが先行して言うことを聞かない。自分がやりたいことをやる、自分が言いたいことを話す。周りからは、「お前は変わらないとまずい。」と言われ続けていましたが、自分なりには全力で考えて正しいと思うことをやっているので、周りの声には聞く耳を持ちませんでしたし、何も思っていませんでした。

そんな木下くんに、社会人3年目に大きな転機が訪れます。

2度目の異動先の部長が過去の実績や人材開発会議の資料を見ながら、「来年の今頃このままやったら、お前いらんわ。」という一言。そして、滅多につかない半期査定での”C”がつきました。
(リクルートでは、どんなに評価が低くてもBまで。Cはクビ宣告と言われていました。)

この時に初めて「あ、俺ヤバい。」って気づくんです。そもそも、1年半も成果出てないし、先輩からも散々怒られてたんだから気づけよって話なんですけど、結構外部環境のせいにしていました。

(木下が思っていたこと一例)
「自分は一生懸命考えたのに、お客さんが分かってくれない。」
「いろいろ言われても、忙しいし。やること多いんだから・・・。」
「そんなこと、俺に言われても無理だし。」
「俺は俺でやることやってるのに、なんで文句言われないといけないの?」

いま振り返ると酷い、本当に酷い。そして、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。しかし、うまく行っていない場合に、当の本人は意外と原因に気づいていないことが多いです。なぜなら、その日その日必死にやっていて、サボってる訳じゃないし、仕事が遅い分、時間に余裕がないからです。

だからこそ、いま振り返ると、この最後通告はありがたかった。
(当時は査定が給与反映だったので、生活は本当にキツかったです。)

”誰を見て仕事をするか”が仕事の中身を大きく変える

では、問題児だった私の中で何が変わったのか?

実は、目指していたこと・やりたいことはずっと変わっていません。それは、“良い仕事をしたい“ということです。

大きく変わったのは、”どこ(なに)を見て良い仕事と言っているか”です。「自分」を見ているのか、「お客様」を見ているのか、「お客様の目標」を見ているのか。それによって行動が、発言が変わります。

私の場合、はじめは「自分が思うかっこいい仕事=いい仕事」と思っていました。それではうまくいかず、今度は”成果(=売上)”を追ってみよう!と思ってやってみたら、売上ばかり気になって”売ること”に目が行き過ぎるようになりました。

自分でもどうしたら良いのかよくわからなくなっている時に、上司に言われた一言が大きく考え方を変えました。

それは、”営業しなくていいよ”という一言です。

営業をしなくていいからお客様のところに行ってきなさい。そして、1時間話をしてきなさい。この経験がいまの営業観を形作っています。

いままで思っていた営業(≒売り込み)をせずに、お客様のところに1時間いようと思うと、かなり大変です。1時間を目標にしたものの、はじめは5分しかいられないという中で、試行錯誤を繰り返すうちに、会話の主語がお客様へと変わっていきました。

お客様の見ている方向を一緒に向いて、どうすれば実現できるのかを一緒に考えるようになりました。そうすると、自分達の商品・サービスを活用してお客様の課題を解決したい、もっと役に立ちたいという想いが強くなっていきました。

つまり、”良い仕事”の定義を自分にとってではなく、”組織”と”お客様”にとって良い仕事の掛け算で考え始めたのです。そうすると、お客様が喜んでくださることに加え、成果も出始めました。

営業は、お客様の理想の実現に向けた課題解決への最適解を自分達の商品・サービスへと導いていく仕事です。つまり、お客様の理想を実現するための一番(唯一)の選択肢が自分達であれば、自社を選んでいただける確率は限りなく高くなります。

お客様を主語に会話をする、お客様(と組織)にとって良い仕事をすると考えられるようになってから、明らかに仕事の中身と仕事の面白さが変わりました。

マネジャーがメンバーに適切な場を与えられるか

では、苦しんでいる営業を引き上げるために何をすべきか?
ポイントは2つあると思います。

1)当事者自身が “本気で”変わりたいと思うこと
2)マネジャーが適切な場を提供すること

1つ目は、当事者が本気で変わりたいと思うことです。マネジャーがどれだけ変わって欲しいと思ったとしても、首根っこを押さえて「変われ!」と言ったとしても、変わりません。

馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.

−イギリスのことわざ−

だからこそ、当事者が「本気で変わりたい!」と思える状態に導けるか。が大事になります。その時にポイントとなるのが、メンバーに対して”気づきを与えられるような”場を提供できているかです。

もちろん、1on1などによる壁打ちやコーチングによって、マネジャー自身が気づきを与えていく。ということも有効な手段の1つです。メンバーが目指していることに向き合い(Will)、それを実現するために(Can)、どんなことを意識して仕事に向かうのか(Must)というアプローチは有効です。

しかし、営業にとっては上司以上に大事な存在がいます。

そう、お客様です。

どんなに上司が口酸っぱく言うよりも、自分の言動に対するお客様の反応に触れる方が遥かにレベルアップは早いです。私の場合も、きっかけは「営業せずに1時間お客様のところにいなさい」というマネジャーから与えられたミッションでしたが、お客様と何度も深く対峙することで、たくさんのことを学びました。

お客様との会話の中で、うまく行くことも、失敗することも、ときには怒られることもたくさんありました。ただ、その中で「あ、こういうことかな?」「もっとこうしたら良いかも!」などと自分の中で気づけることが増えていきました。

よく新人営業が、リストへの架電での探客=会えるお客様を増やすためのアプローチに終始するケースが多いと聞きます。もちろん、会えるお客様を増やすアプローチも大事ですが、とにかくお客様と向き合う時間をどれだけ取れるかが成長スピードを大きく左右します。

お客様と向き合うということへのトライ&エラーが増えてくると、結果的には探客や架電も上手になってくるはずです。

人と人が、感情とロジックでぶつかり合い理解が深まっていくプロセスの中で得られるものが、その中でしか得られないものがたくさんあります。だからこそ、「試行回数を多くしなさい、お客さんとたくさん会いなさい」と強く思うのです。

与えられた時間の中で、“何に”時間を使うのか。

時間の長短と濃淡で考えた時に、いかに濃い時間を長く過ごすかを意識することが重要です。メンバーが日々過ごす時間を、自分が日々過ごす時間を、少しでも濃いものにすることで、苦しんでいる営業も浮上のきっかけを掴めるのではないでしょうか。

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